ポスト菅の条件

福島第一原発事故関係URL放射性物質汚染問題が未解決なので、いましばらくURL掲載を続けます)
武田邦彦(中部大学)ホームページ
http://takedanet.com/
都健康安全研究センター
都内の環境放射線測定結果 測定場所:東京都新宿区百人町
http://ftp.jaist.ac.jp/pub/emergency/monitoring.tokyo-eiken.go.jp/monitoring/
東京都ホームページ
http://www.metro.tokyo.jp/

提言
 以下、日本在住人民の名において要求する(自分には、本当は代表する権利はないけれど、とりあえず思いついたの書いてみる)。
1.日本国内の原子力発電所の即時および永久停止
2.国産食料品のベクレル表示の義務付け
3.現在のベクレル規制値の10分の1への引き下げ
4.原子力規制法に基づく立ち入り制限地域の設定
5.放射性物質の汚染地域の除染
6.放射性物質福島第一原発および周辺への回収
7.回収後の放射性廃棄物の除染


 『週刊アスキー』に連載中の歌田氏の記事によると、国内世論はすでに「原発のできるだけ早い停止」が主流になっているという。であれば、我々としては一歩進めて、すべての国内原発の即時および永久停止を要求するものである。
 例えば、敦賀湾に関しても、東日本大震災レベルの地震及び津波は明日来るかもしれない。今日来るかもしれない。そして、その時は、必ず福島原発と同規模の原子力災害が起きる。これは過去の大規模地震において、すべての原発が事故を起こしていることから経験的に導かれる予測である(上記武田氏のホームページ参照)。
 海江田経済産業大臣は先日、原発安全宣言を出したが、それはちょっと止めて、また動かしたテストにすぎない。何もしないよりは、はるかにましではあるが、このテストが安全性を保証したとは言えないことは誰の目にも明らかである。
 また、今回の原発事故の補償と将来10万年に及ぶ放射性廃棄物の保管費用を考えれば、原発は商業利用するにはコストがかかりすぎる。つまり、経済合理性から考えても、原発は現実性のない選択である。
 このように福島同様の原発事故が起きる可能性を排除できない以上、原発のもと、いつ事故が起こるかを心配する不安な日常より、原発事業を原発廃棄事業へ転換し、即時停止及び廃止を行ったうえでの新エネルギー開発へエネルギー政策を転換する方が、はるかに民意にかなった選択である。

2および3
 これは3とも関連するが、単品での年間1ミリシーベルト基準への合格は、まったくナンセンスな規制である。現在の制限値はこのように設定されている。そうではなく、内部・外部被曝の合計を年間1ミリシーベルト以下に抑えるべきである。
 また、たとえ10分の1の規制値以下であったとしても、どのような食品を選ぶのかは消費者の基本的選択権であり、誰もそれを侵害できない。
 汚染食品を輸出し、それを突っ返される恥以上に、国民にそうした食品を食べることを強いるのは大きな恥である。言うまでもないが、正常な大人には社会に対する責任がある。無法者を取り締まるのが法であり、その責任を全うしない政府とメディアに現在の政治・報道批判が生まれるのは当然である。


 国内法に放射性部室汚染地域への立ち入り規制が、罰則付きであるにもかかわらず、その法を守らない政府・自治体関係者の行為は明確に違法である。


 表土のはぎとりにより確実に被曝量を下げられる以上、速やかにそうした除染を行うべきである。その費用が莫大になるためできないというのであれば、東電はすべての資産を売却し、倒産手続きを行ったうえで、同様に原発事故に責任のある政府に費用支出の義務を引き継ぐべきである。

6および7
 放射性物質はその発生元に返すのが道理にかなった当たり前の原則である。福島県放射性物質の永久保管場所になることを危惧しているが、だからと言って汚染を日本国内に拡散することが許されるはずはない。原発の立地を許しそれによってこれまで利益を得ていたのが福島県であるのだから、汚染物質を引き受け、東電および国・自治体の責任においてそうした汚染物質の除染に取り組むのは当然ある。

 ポスト菅の条件を考えた場合、上に加えて、民主党が約束した増税なき財政再建の達成を目指すべきである。具体的には官僚組織の統制と無政府状態になっている特別会計と一般会計の統合、天下り禁止、不要な公益法人の解散などである。上級公務員の解任を自由化する特別職化も必要である。
 災害と政権延命を理由とした福祉政策などのマニュフェスト後退は許されないし、もしこれを許したら、その時は政権当事者の思惑とは逆に、政権延命自体が不可能となるだろう。

分析
 以上、原発事故関連の7提言などを踏まえれば、ポスト菅が自民党でないことは明白だ。このことが、現在の未来の見えない不明確な政治状況を生み出している。
 原発事故と震災対策に無能であった菅内閣が退陣するのは当然としても、ポスト菅が上の提言を守れない状況があるため、このような政治状況が生み出されている。
 有権者の態度はすでに明確だ。以上の原発に対する7提言と2009民主党マニュフェストへの復帰がそれである。これは世論調査などを見ても明らかだろう。
 私は、ポスト菅は上記の条件を満たさなければならないと考える。