アリス・イン・ワンダーランド

福島第一原発事故関係URL
武田邦彦(中部大学)ホームページ
http://takedanet.com/
都健康安全研究センター
都内の環境放射線測定結果 測定場所:東京都新宿区百人町
http://ftp.jaist.ac.jp/pub/emergency/monitoring.tokyo-eiken.go.jp/monitoring/
ドイツ気象庁放射性物質拡散シミュレーション動画
http://www.dwd.de/wundk/spezial/Sonderbericht_loop.gif
同ホームページ(ブラウザの翻訳機能を使って読んでください)
http://www.dwd.de/

アリス・イン・ワンダーランド ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]

アリス・イン・ワンダーランド ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]

マッド・ハッター「俺のこと忘れるだろう」
アリス「忘れないわ。忘れられない」
ティム・バートン監督『アリス・イン・ワンダーランド』(http://disney-studio.jp/disney/special/alice/)から

 WOWOWで『アリス・イン・ワンダーランド』(米・2010)を見ました。相変わらずのティム・バートン節で、しかも最後がハッピーエンドなところは、彼のこれまでにない作品になっていたように思えます。甲冑を身につけた騎士姿のアリスの凛々しさ、マッド・ハッターの勝利の踊りなど、必見と言っていいと思います。
 ジョニー・ディップも出演映画をうまく選んでる気がします。ティム・バートンといい、ジョニー・ディップといいアメリカ商業映画の中で、きちんと自分の居場所を見つけている気がします。そして2人共才能があるし、その才能を出し惜しみしていないところが、日本の三池監督同様、素晴らしいところだと思います。非常に楽しめる映画でした。
 ティム・バートンといえば、『スィニートッド』や『コープスブライド』は見ていないのですが、その他の映画はその才能を出し惜しみせずによくできている作品を作っている監督ですが、『アリス』の出来は『シザーハンズ』に匹敵するし、最後がハッピーエンドであるぶんだけ、『シザーハンズ』をしのぐかもしれないと思いました。
 ジョニー・ディップは押しも押されぬ最後のハリウッドスターといった感じですが、スターといった時最初に彼の名前が上がるところが、現代といった時代の反映なのかもしれません。彼はいわば色ものなんですよね。でも、その魅力は他のメジャー俳優をしのぐ。その理由は、彼のようなスターを時代が求めている所為なのだと思います。『Dr.パルナッソスの鏡』での好演も目立っていました。『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズでの活躍は言わずもがなでしょう。トップスターであり、なおかつ性格派俳優であるところが、彼のいいところだと思います。
 レオナルド・ディカプリオ主演『シャッター・アイランド』でも感じたのですが、最近の映画、特にお金をかけたアメリカ映画のエディティング、色彩感覚、構図の美しさはこの『アリス・イン・ワンダーランド』でも、目立ったところでした。3D用に作られたためにそれを意識した構図は2Dでみた時も感じたのものです。
 しかし、ジェームズボンドシリーズ最新作が映像的にとんがっていたためにストーリーの説明にいささか難があった点を考えると、『アリス』はオーソドックスにギリギリのところでわかりやすくストーリーを語っていた点も好感が持てました。『アリス』はディズニーの映画であり、『シャッター・アイランド』はミステリーである点にその理由が求められるのだと思います。こうした映像の冒険はNHK大河『龍馬伝』での様々なシーンでもみられたもので、トレンドというか現代映画のベーシックなものとして根付きつつあるのかもしれません。まさに映画は総合芸術なのだから、様々な分野での実験的取り組みは、それが成功すれば、作品全体の質の底上げにつながるように思えます。
 僕らが映画を見るときの基準点はこのように底上げされてきている。日本映画もただ映画をとればいいといった安直な作品は淘汰されていくものと思います。