前原は小泉以上のバカ

 なんともあきれるしかない現在の日本政治ですが、今日の『パックインジャーナル』(http://asahi-newstar.com/web/01_packin_journal/?cat=18)で印象的だったのは、コメンテイターの郷原さんが「前原というのは戦略的思考のまったくできない人なんじゃないだろうか」と発言していたことでした。
 尖閣諸島問題を無難に収め、11月に横浜市で開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に向けて日中韓米で新しい時代に向けた協力枠組みを作ることが菅政権にとって最も大切な目標であるにもかかわらず、平気でそれをぶっ壊す言動を続けている無神経な前原外務大臣を指してのことです。
 「偽メール問題で、その真偽が疑われ始めているにもかかわらず、平気で『明日の党首討論が楽しみです』と発言した前原民主党代表(当時)の姿を見て愕然とした」ということを、郷原さんは話していました。この後民主党支持率が急落し、前原が代表の座を追われたのは、みなさんがよく知っているとおりです。
 こうした前原の姿勢は、単なる阿呆を通り越して、民主党が与党となった今では傾国のバカと言わざるを得ないものです。遺族票をあてにして日中間の外交窓口を閉じた小泉首相のころは、それでも経済は熱く動いていたから、まだましだったのですが、前原は政治的要因でこれらかの日中関係を閉じようとしているとしか見えません。そして、その時失われる日本の経済的損失は天文学的な数字になるし、日本自体の10年後の地位を大きく下げるものです。それは現在の日中間の経済関係を見れば誰の目にも明らかです。
 本来、こうした前原の言動に対して任命責任を問われるはずの菅は、まったくやる気をなくしているし、菅を裏で操る仙谷官房長官は、こともあろうに菅の次に前原を首相に据えようと考えていると伝えられます。そんな日本の姿を見て、中国にしてみればふ「ざけるな!」と思うのは当然でしょう。
 中国の肩をもつわけではなく、相手の視点から見れば当然そうなるという話です。領土を実効支配していることをことさらに言い立てることは、北方領土をロシアに実効支配されている我々の立場から尖閣諸島問題を見れば、中国の感情を逆なですることあきらかです。それを無視して強硬姿勢を続ける前原の姿勢は、外務大臣失格であるのみならず、小学生レベルの行動と言わざるをえません。ここから「前原は戦略的に物事を見ることができない」と言われるわけです。
 とすれば、前原を放任する菅首相も、菅の次に前原を首相に据えようとする仙谷官房長官も、2人共戦略的にものを見れない政治家であることは明らかです。
 もっともこの二人に枝野や岡田民主党幹事長を加えても、小沢排除のついでに、ことごとく小沢の主張する「国民の生活が第一」といった諸政策と反対の政策を取っているグループであり、そうした政策が現在、選挙民の反感を買っていることに気づいていないのですから、戦略的思考がまったくないことは、前原といい勝負です。
 こうした現状を考えると、3年後の民主党衆院選挙での大敗北を避けるためには、いま倒閣運動を起こすことが唯一の手段であるように僕には思えます。小沢を支持する民主党議員は、今すぐ「2009年マニュフェスト」「国民の生活が第一」に戻れと主張して、民主党代表選で小沢が示した政策に向けて、菅首相に反旗を翻すべきであると考えます。すべての菅政権の政策に反対して倒閣運動をすべき時です。
 国民はすでに「こんな菅なら自民党の方がまし」と思い始めています。それが現われたのが北海道の補欠選挙結果でした。あんなアホ町村が民主党候補に勝ったのですから。
 であるのなら、民主党議員に残されたのは、菅の政策を完全に否定する為に結束することだけだと思います。旗印は「2009年マニュフェストに戻れ」です。
 枝野や蓮舫の行っている消費税増税の理由づけとしての特別会計の仕分ではなく、特別会計に残さなければならないものだけを仕分て、それ以外を通常予算に組み入れることが必要と『パックインジャーナル』でも指摘されていました。そうすれば、本当に特別会計に残すべきものは少ないということでした。
 日本の政策を社会民主主義的なものに変えなければ、現在の雇用不安も、農業問題に代表される地方問題も解決できないことは明らかだと思います。
 マスコミが煽る小沢問題という「魔女狩り」とそれに伴う日本政治の混迷を見るにつけ、坂道を転げ落ちるような現在の日本の姿を見ながら、それを本当に止められるのは誰かと思うと、小沢を支持した民主党議員だけであると確信するものです。その時は、共産党にしろ、社民党にしろ、自民党良識派にしろ、みんな民主党について行くと思います。これしかないというところが、いま日本が本当の危機的状態にあることの意味なのだと思います。