犯罪捜査官 アナ・トラヴィス[全3話]

 WOWOWプレミア『犯罪捜査官 アナ・トラヴィス』[全3話](http://www.wowow.co.jp/pg/detail/060477001/)を見ました。今日見たのは第1話と第2話の「潜入捜査」前後篇です。明日は、第2シーズンの3話「模倣犯」を放送する予定だそうです。
 ケリー・ライリー演じる主演の女性捜査官とキアラン・ハインズ演じるそのボス、そして殺人課のスタッフが連続娼婦殺人事件を解決する話でした。
 ロンドンが舞台なので、それで興味をもって見たのですが、構成も演出もよくできていて楽しめました。特に、日本の刑事ドラマによくある陰湿な感じがなくて、プロが犯罪捜査に邁進する姿がドライによく描かれていた気がします。
 ボスはセクハラするけど、尊敬する友人の刑事の娘である女性捜査官には手を出さず、彼女のドレス姿を見て、初めて女性として意識して手を出そうとするけれど、やんわりと断られるあたりの演出がうまかったと思いました。
 このドラマで印象的だったのは、弁護士臨席で取り調べをして、録音テープを回すシーンです。録音テープを回して事情聴取する姿は、昔見たイングマール・ベルイマンの映画にも登場しました。そんなものを見て、ヨーロッパでは普通の光景なのだと思いました。
 弁護士の隣席による取調、取調の録音による記録、そしてドラマの公判では取調のビデオ録取も示唆されます。そうした状況の中、殺人捜査官は証拠を元に犯人から自供を取ることに成功します。
 昨年の国会では取調過程の可視化法案が出されたにもかかわらず審議未了で棚上げになっています。イギリスにできて日本にできないとしたら、それは国際的な恥です。日本の警察・検察も徹底的な公開によって、プロの犯罪捜査官としての誇りが持てるような職業に変えなければならいと思います。
 菅首相にその気がなく、小沢氏も自分が取り調べられているからと遠慮するのではなく、他の犯罪者の冤罪を作らないために、小沢氏はもっとこの法案の再提出を目指すべきだと思います。官僚べったりの菅首相には無理だとしてもです。