バブルへGO!! タイムマシンはドラム式

 新年明けましておめでとうございます。今年も例年の如く、今すぐ、すべての権力を人民に引き渡せ、と祈らざるをえません。
 さて、昨日放送された日本映画『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』の録画を見ました。

 この作品はホイチョイプロが制作した普通のコメディ映画で、阿部寛広末涼子薬師丸ひろ子などが主演していることもあって、ロードショーでは見なかったけれど、いつか見たいと楽しみにしていた作品でした。あらすじは、間近に迫った日本経済の崩壊を阻止するため、タイムマシンでバブル時代に戻り、バブル崩壊を止めるという話で、僕には縁がなかったけれどなんか浮かれていた時代が見られて楽しめました。
 でも、この作品が本当にすごいのは、全く予測していなかった最後のシーンにありました。
 『バック・トゥー・ザ・フューチャー』でもおなじみである、過去の行為によって現在が変わるというシナリオは、同映画でも意外な結末で観客を感動させましたが、この映画も同じ効果を持っていました。しかもそれは、日本の失われた10年や、その後の道を誤った8年を取り戻す、日本の来なかった道を指し示していただけに、感動的なものでした。僕は思わず泣けてしまった。
 結局のところ、どれだけ優秀な政治指導者を持てるか、そして、どれだけ一人一人が自分の倫理観を守れるかによるわけですが、健全に運営された政治のもとで、どれだけわれわれの生活が守られるかが示される結末でした。
 たとえば、自民党をぶっ壊すといいながら、実態は、橋本派支配の自民党から森派支配の自民党への温存された自民党政治の移行でしかなかった小泉時代。公務員に憎しという国民感情を利用して、その実態は国民の財産である郵貯簡保財産をアメリカ資本に売り渡すための、郵政民営化。経済政策を何もしないことによって、倒産と自殺者の山のうえ大企業中心、株主中心の労働者搾取経済を成立させた小泉・安倍政権時代。京都議定書に決められたCO2削減目標に近づく努力をまったくせず、かえってCO2の排出量を増やしておきながら、いけしゃあしゃあと新しい目標を世界に向けて発表する厚顔無恥で破廉恥な安倍政権の時代。そして、景気の悪化などの緊急の諸問題もどこ吹く風で、アメリブッシュ政権に貢ぐことを、何ら合理的な世界情勢判断抜きで、バカの一つ覚の如く繰り返す福田政権など、日本の政治家はどこまで馬鹿になったのかと思わざるを得ません。特に安倍、福田は国民の審判を受けていないのだから今の有権者はバカとは言い切れない。
 こんな時代に、まだ比較的冷静なのが有権者で、昨年夏の選挙で、はっきり自民公明政権にNOを突きつけたわけです。衆院議員選挙が今年か来年にはあるはずで、その時自民公明政権が下野するのは必然だと思います。なぜなら、次の選挙の争点は「これからも自民公明政権のもとで起こった同じようなことが続いていいのか、否か?」だからです。
 ま、選挙の前に、日本経済がクラッシュしたり、地球温暖化が取り戻せない限界点を超えないかは疑問ですが、ともかく、日本や世界の未来は有権者の手にゆだねられという感じです。
 映画の感想に戻ると、広末演じる主人公が一人暮らしするアパートのシーンや、キャバクラで働くシーン、水着シーンなどが見られてお得な感じでもありました。バブル崩壊の引き金が本当にあの政策にあったのかは、不勉強でよくわからないのですが、楽しめて最後に風刺のきいたこの映画は、非常にお勧めです。
 ちなにみ、昨年末にやはりTVで見た『さくらん』『硫黄島からの手紙』『タイヨウのうた』もそれぞれに特長のあるいい映画でした。合わせてお勧めしておきます。