ハリー・ポッター7巻(後半にネタばれがあるため注意)

Harry Potter and the Deathly Hallows (Harry Potter 7)(UK) Adult Edition

Harry Potter and the Deathly Hallows (Harry Potter 7)(UK) Adult Edition

 7月21日の土曜日、ハリー・ポッター・シリーズ最終巻である7巻の“Harry Potter and the Deathly Hallows”が全世界で発売になりました。知り合いの子供たちに訳してあげる約束をしていることもあって、さっそく開店直後の三省堂神保町本店に買いに行きました。
 そのあとは、最近開店した上島コーヒー店に入って、読み始めました。
 何といっても注目は、主要登場人物3人のうち2人が死ぬという作者による予告で、僕はハーマイオニーとロンが死ぬんじゃないかと予測してたので、結末から読んじゃったんですよね。で、気がついたのが、作者が金庫の中に隠してたといわれる最終章でした。なるほどといった感じで、エピローグとして描かれたその章を読んだあと、ハリーとヴォルデモーとの決着が描かれる、番号の振られた章では最終章である、第36章を読みました。
 そうこうしているうちに、実は16日に一度見たのだけれど、ロンドンからイギリス人の友人家族が遊びに来ていた関係で、寝不足になり、半分くらい見落としていた映画『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』がすごく気になって、東武練馬のサティ板橋に、二度目の映画鑑賞に出かけたのでした。(http://harrypotter.warnerbros.co.jp/site/index.html)
 それの上演時間を待つ間も、ずっとハリポタ7を読んでいて、第1章を読み終わりました。
 そこで、英語版を買っていないファンの方向けに、結末部分だけでも紹介しちゃおうと思い、このブログを書きました。もちろんこれは正統派の読み方ではないので、あくまで興味ある方の参考にです。書いた内容も正式のレビューではなく、単なる情報提供です。
 ハリー・ポッター・シリーズは、たんに子供向けというだけでなく、語りだしたら止まらない魅力ってあるんですよね。ですから、そのあたりはまたの機会に書きたいと思います。

 では、以下ネタばれです。


 ハリーポッターのエピローグとなる最後の章は、‘Nineteen Years Later’(19年後)というタイトルで、ヴォルデモートとの対決を終えてから19年後、主人公のハリー・ポッターが妻と子供を連れてキングスクロス駅9と3/4プラットホームに向かう話でした。
 その妻とはジニー・ウイズリーであり、子供は、2年後にホグワーツへの入学を控えたリリー(Lily)、今年入学のアルバス(略称、Al)、そしてそのお兄さんであるジェームスです。
 駅で出迎えるのは、ハリーの友達のもうひと組の家族、ロンとハーマイオニー夫妻です。彼らの子供は、今年入学のローズ(Rose)、そして弟のヒューゴ(Hugo)でした。
 子どもたちはすでに仲良しです。
 そして、そこで出会う、もうひと組の家族とはドラコ・マルフォイ夫妻とその息子でした。ハリーたちの視線に気づいた彼は、礼儀正しく会釈すると、彼らの視線から消えます。その息子の姿は、アルがハリーの入学当時とそっくりであるのと同様に、入学当時のドラコそっくりであったと描かれています。
 このエピローグでは、ハリーの友人であるロングボトムが、今はホグワーツの植物学の先生であることも告げられます。
 エピローグの最後の文章を訳すと、『この19年間、ハリーは傷跡が痛むことがなかった。すべて順調である。(The scar had not pained Harry for nineteen years. All was well.)』というものでした。
 僕は『不死鳥の騎士団』のころ、最後の数章と、最初の部分を合わせて、全体の1/3を訳したことがあったのですが、ローリングさんの小説は、各章の終わりの文章が非常に練られていることに気付きました。
 その意味で、ずっと前に書かれ、金庫にしまわれていたこのエピローグの最後の一文はまさに、ロンクシリーズの大団円にふさわしいものと言えるような気がします。

 さて、最初の「誰が死ぬのか」という疑問ですが、やはりローリングさんが、「大きな戦いで仲間全員が無傷ということはありえない」と語ったように、おびただしい死者が出ています。その戦死した主な登場人物の名前は、エピローグの直前に位置する第36章「計画の弱点(The Flaw in the Plan)」のヴォルデモートとの戦闘直後に描かれています。
 フレッド・ウイーズリー、トンクス、ルーピン、コリン・グリービーほか15人。
 この物語で僕が一番好きだったのが、シリウス・ブラックで2番目がルーピン先生だったので、なんで!? みたいになったのですが、その死が詳しく描かれた部分はまだ未読なので、何とも言えずです。
 『不死鳥の騎士団』英語版で、はじめてシリウスが死ぬシーンを読んだ時は、すごくショックでした。でも、子供をそのまま大人にしたようなシリウスは、その魅力的な長所ゆえに、ハリーと暮らすという幸せを知る前に死ななければならなかったようにも思ったものでした。映画版でもそのあたりはよく描かれていたように思います。
 だからルーピンの死に際もすごく気になります。フレッドは、眼鏡の兄、パーシーの腕の中で死ぬ場面が、今ぱらぱらめくっていたら、出てきました。このへんのいきさつも気になるところです。

 では、また随時、書きたいことができたら記述していきたいと思います。