謹賀新年

 2007年、明けましておめでとうございます。
 世界中の労働者、農民、漁民など、すべての保守反動でない人たちに連帯の挨拶を送ります。
 昨年後半の日本政治は最悪でした。
 民主的な議論ではなく、中央政府による洗脳を教育の基礎にすえる教育基本法の改悪、防衛庁の省への昇格など、現安部政権の目的が、庶民の生活の再建や民主的政治過程の保護から、いかにかけ離れていること証明する出来事に満ちていました。政府の動向を監視し反撃する市民の役割は、今後ますます重くなるといわざるをえません。
 ここで強調したいのは、僕は何より実践(もちろん労働者の側に立った)ものを重視するということです。大切なのは「解釈することではなく、変えること(それもいい方向に)」だからです。だから、昨年、民衆のためにがんばった人たちを、僕は一番尊敬するものです。

 年頭に際して、まず強調しておかなければならないのは、軍事的強化によってはじめて諸外国と対等に付き合えるという、保守反動層に共通する虚妄を否定する必要性です。安倍や一部の野党(特に民主党)の一部議員に共通するこの考え方は、昨年の教育基本法改悪の主なモチベーションとなっているだけに重大です。
 核武装自衛隊の軍隊化、そのための憲法改悪という動きは、すべてこの発想からきています。
 この考え方は、僕も中学生のころ右翼だったから、ある程度理解できます。しかし、軍事的強化は、その行動がそのまま国家としての独立性の確保に向かうような単純なものでないことは、高校時代以降、僕が学んできたことでした。
 いま、2007年以降の現状を考えると、この問題は中央省庁の官僚、保守反動政治家、軍事産業企業、諸外国政府などのさまざまな政治アクターの思惑を抜きに考えることは無意味です。
 自分の省の権限を強化することを第一に考える、公僕としての道を誤った官僚達、短期的な業務利益を第一に考える軍事産業、これらと結託することによって日本の軍事化が図られるとしたら、それは日本の独立ではなく、よくてアメリカの下僕として、イギリスのように自国の市民を戦場に送るだけの無能な政治判断を生み出すことになる確率が高いことを指摘する必要がある、と僕は考えます。
 核武装にしても、第一に核燃料を他国に依存している日本が、現状の世界の核拡散防止政策を破壊して実現しようとするのなら、それは日本の独立ではなく、むしろアメリカへのますますの依存を生み出すほかなく、結果、アメリカの尖兵として役割を強化するほかに、この核武装政策を取るすべはない。そして、それは第二に、近隣諸国の核武装ドミノを生み出すがゆえに、アメリカ政府当局にとっても望ましくない。だから、この道を追求するのなら、アメリカへの現状以上のすり寄りを必要とすることはある程度予測できることです。
 日本にはそれを回避する9条という武器があると僕は考えます。ですから、この最後の武器を放棄する愚を犯すことは看過できません。
 拉致問題にしても、文句を言って制裁すれば相手が折れるというのは、おろかな選択です。ほかに道がないじゃないかと問われれば、道はあると答えます。
 これまでもこのブログで主張してきたように、朝鮮半島の平和的統一(韓国による北朝鮮の吸収合併)を目的とした、日本政府による中国、韓国への働きかけが最も有効な手段となります。それは、この三国にとって、金北朝鮮を必要とする要因を排除ための政策です。
 北朝鮮難民の中国経由での日本、韓国への受け入れといった人道政策、これは、民主国家として世界に経の任地を求める現在の中国政府にとってメリットがある政策です。そして、在韓米軍指揮権の韓国への以上といった政策に現れているように、統一朝鮮半島国家が、中国にとって脅威にならない政策変更を中国に認めさせること。統一された朝鮮半島国家に対する経済援助を日本政府が保証することによって、韓国にとっての北朝鮮崩壊リスクを軽減すること。こうした諸政策を取れば、中国の市場に傾斜し、それゆえに日本の頭越しに中国に接近する米国を出し抜いて、日本、中国、韓国(ロシアも含めていい)の中で日本がリーダーシップをとって東アジアに平和と安定と繁栄をもたらすことが可能となります。
 この政策の延長線上には、中国をより民主的な国家へ改変することを即すという目的があります。経済的近代化は、より民主的な政治制度を必要とすることは歴史の教えることです。日本はその後押しをすることが、現実的でありかつ重要な政策となります。
 こうした政策目標の実現のあとには、より安定した、貿易国家としての未来の日本の存在が保障されること、そのためのこうした政策方法を僕らは今年から目指さなければならないでしょう。
 拉致被害者家族にとっても、安部の政策と、今僕が指摘した政策のどちらが、より早期に拉致被害者を救い出せるかを冷静に考えるべきだと思います。もちろんこれは、有権者たるわれわれの課題でもあります。
 もうひとつ、毎日数件の宅配業者のビラが配られる宿舎に、現政権に反対するビラを配っただけで、住居不法侵入罪で逮捕するといった明らかな政治弾圧を僕らは、拒否する必要があります。今日は彼ら、そして明日はわれらだからです。

 このように暗い状況ではありますが、だからこそ、すべての人民にハッピー・ニューイヤーを望みます!