共産党ビラ配布検挙の事件地裁無罪判決

 今日夜のニュースで、日本共産党のビラを配布して住居侵入罪に問われたお坊さんに、地裁で無罪判決が出たことを知った。これは当然の判決だと思う。検察は、事態を分析して控訴するかしないかを決定するという。
 同様の立川基地監視テント村によるビラ配布事件でも、地裁段階では無罪判決が出たが高裁で逆転判決が出ている。以前の日記で僕は「特高を目指す警察」と書いたけれど、実はこの立川事件で動いたのは、公安であった。であるから、警察が直接動いたのではなく、公安の行動だった(テレビ朝日の報道による)。
 テレビや新聞では、マンション住民のプライバシー意識の高まりがこうした検挙を生み出したといった報道や解説がされるが、ちょっと違うのではないかと思う。だって、こうした検挙は、政府の政策に反対する市民団体とか野党だけが検挙対象となっているからだ。決して自民党の選挙ビラとか公明党のビラの配布とかが検挙の対象にはならない。これは、明らかに政治的弾圧とみるべきだろう。
 ネットで立川事件の高裁判決を支持するような分析が書かれているのを前に見たのだが、テレビ朝日の取材によると、立川市民団体の訴えの書類を公安が自ら作成し、住民に訴えを依頼していた事実が報道されていた。そして、このビラ配り禁止の自衛隊宿舎では、この事件の後も、わずか8時間の間に2件のピザ屋など宅配業者のビラ配りが行なわれていた。
 つまり、こうした事実から、進入禁止は名目であり、明らかにその配布物の内容に対する弾圧であることが明らかになると思う。
 公平であるべき警察や公安が、こうして政府の政策の為に行動するようなことがあっていいのだろうか。いいはずはないだろう。
 テレビ朝日の番組では、公安は冷戦の終結を受けて、自らの存在意義を失いかけており、当然予算も削減される。それゆえ、わざと事件を自分から作り出していると報道されている。それも、予算獲得のためにである。
 財政逼迫のこのご時勢に、なおかつ、市民的権利を侵害するような形でこうした行動が公安によって行なわれるとしたら、それは、無罪どころでなく、職権乱用とすべき状況だと思う。
 毎日いやなニュースばかりだが、それを政府職員があえて増やすような行動はやめてほしい。
 共産党ビラ配り事件では、決して検察は控訴すべきではない。
 立川事件は、最高裁判決待ちとなったが、僕は断固、被告である立川テント村を応援したい。それが常識というものだろう。