今日の朝日新聞

僕の一番嫌いなのが、若いうちは平和憲法でヌクヌクと守られていながら、年をとって平均的徴兵適用年齢を過ぎたところで、「いまどきの若者はたるんでるから、徴兵制でも敷いて兵役に取られるべき」といった発言をするオヤジだ。一言で言えば、「恥知らず」というべきだろう。僕もオヤジなんで、特にそう思うわけだ。
また、以前テレビで見た「アメリカについていきさえすれば大丈夫」とニヤニヤしながら言う評論家も大嫌い。そりゃ、お前さんは大丈夫だろうよ、玉の飛んでこないところで、政府の番犬をしてりゃいいのだから。でも、小泉の対米追従政策に乗せられて、イラクまで行かされて、陣地に砲弾を打ち込まれている自衛隊員は、ぜんぜん大丈夫じゃないだろう。自分に関係ないと思う人が、「ま、自衛隊員だから仕方ないでしょ」みたいなことを思っているとしたら、そんな風に思う人は、恥を知るべきだ。
ついでにいえば、サマワイラク日本友好協会主宰のイラク人は店や家を破壊され命の危険を感じているほどであることが、現実に報道されている(テレビや大新聞じゃめったに報道されないけれど、雑誌『世界』にはきちんと報告されていた)。
最後にもうひとつ、先日のNHK「格差社会」特集の討論番組は、上の二つの意味でも面白かった。長い番組の締めくくりとして、竹中大臣が発言したのだが、「将来の中国経済的台頭を考え、それに競争していく立場の日本は、これまで以上に改革を進める必要がある」と言った。こういうときに、日本人の神経症的な未来に対する恐怖心をあおるのも、いつもの政治的詐欺の手法だとも思った。
そう、現在は小泉政権発足当時の「改革か不況か」ではなく、「改革か格差社会か」が社会の最も大きな争点になっている。
だから、竹中大臣の発言は「将来の脅威に備えて、庶民は改革による格差社会拡大を我慢すべきだ」ということを意味しているわけだ。
争点が明確になって、かえってよかったのかもしれない。でも、竹中は、絶対に自分は下流階層にはならない自信があるんだな〜って思った。だから、彼にとっては、格差社会なんかべつに何の問題にならないのだろうと思う。恥を知れと言いたい。

前置きが長いんですが、やっと朝日新聞の話題です。さて質問です。以下は誰の発言でしょうか?

「世界史の、近代史の原理ってのは、列強というのか白人による有色人種の植民地支配だ。その身を自分にかぶりたくないから、日本人も頑張っているうちに、ミイラ取りがミイラになって、植民地を作らざるを得なくなった。そういったものを冷静に教えて、それに対して若者たちがどう批判するかってのは後のことだけど、そこで初めて、ほかの国の歴史と比べながら愛着なり嫌悪なりが出てくると思うんだけど。そんなことも教えずに、子どもたちに愛国心愛国心っていったって、それは、そんなもので済むもんじゃないでしょう。ナンセンスですよ、国会のやってることは。」

なななんと、東京都知事ファシスト石原の発言でした(19日、記者会見で)。朝日の見出しは、「国会は「ナンセンス」 教育基本法愛国心審議」でした。朝日は毎週こんな囲み記事を作っていて、読者は、「こいつばかジャン」とか思いながら、いろいろ苦笑しているわけです。
石原と意見が合うこともあるんだな、珍しいなと思ってたのですが、彼が台湾の政治家の来日を擁護したりするとき、僕は彼の意見に賛成なんですよね。その理由は、すべての人間は民主的手続を経た選挙で自らの国家を樹立する権利を持つと考えるからです。もちろん、最終的な目標を実現するための道筋は一つではなく、より有効な政治的行動を取る必要はあるにしてもです。
で、いいこというジャンとか思ったのですが、それなら、自分の足元の都教委とか、自分自身の差別発言とか何とかしろよ、とか、さんざにろいろ思い直しました。合言葉は革新都政奪還です。