上司が夏休みから帰ってきて、「今日中にここまで」と仕事を指示。5時までに終わるか微妙なところだ。
 昨日は仕事の帰りに三省堂本店で金子勝『粉飾国家』(講談社現代新書・700円+税)を買う。

粉飾国家 (講談社現代新書)

粉飾国家 (講談社現代新書)

 郵政民営化関連の議論で引用した文に載っていた本だ。これは、月刊誌『世界』2000年10月号の記事にあった債務管理国家論と三つの福祉政府論の現時点での言及を期待してのことである。今朝の通勤電車から読み始めた。
 月曜日に買った『週刊アスキー』で、僕が比較的評価しているネットウォッチャーであり、時事評論家の歌田明弘さんが以外にも小泉支持だったことに驚いた(「仮想報道」参照。ウエッブ版、http://blog.a-utada.com/chikyu/)。その論拠は、銀行の不良際意見処理の成功とそれによる景気回復、ポピュリズムと批判されて入るが、派閥政治から決別し、ともかく市民の方を向いた政治姿勢を評価するものだった。今朝の朝日新聞朝刊の編集委員対談(上)にも、「不良債権処理が小泉政権唯一の成果」と見出しが振られていた。
 不良債権処理は評価の分かれるところだろう。景気回復となるともっと否定派が増えるような気がする。
 ともかく、歌田さんは、そうした肯定要因を書いた後、それでも選挙後1年後に首相を辞めるのだから、いくら改革を支持して小泉に投票しても、選挙をしたがらない国会議員の傾向を考えると4年間は政権が続くはずで、残り3年の保証はないと結論付けていた。小泉支持派にも、こうした危惧はあるんだな、と思ったところだ。
 月曜の朝日新聞朝夕刊には面白い記事が載っていたので、これは帰宅後紹介する予定。火曜日の朝刊には、「郵政事業には一銭の税金も使われていない、しかも公社会計は黒字という共産党立候補者の発言が記事になっていた。それを意識してか、NHK7時のニュース拡大版で小泉は、郵政を民営化すれば税金が取れることを強調していた。いつもいい加減なことしか言わない小泉も、選挙となれば少しはしゃべるようになるようだ。
 となると、優勢民営化のメリット・デメリットは税金取れるか取れないかだけになるような気がする。
 JR民営化の前後にも、ローカル線がバシバシ廃止された。郵政も同様だろう。都会に住んでいると、銀行だって、郵便局だってはいて捨てるほどあるから、郵便局くらいなくてもかまわないと思いがちだ。でも、本当に郵便局を必要とするのは、銀行の支店もない、もちろんコンビにもない田舎の小さな集落であることを忘れてはいけないだろう。
 こうして考えてくると、郵便貯金簡保による民業圧迫論も本当に正しいのか疑問がわいてくる。もし問題の本質がそこにないとしたら、民主党の縮小論すら、不要な議論となる気がする。