人質事件に対する日本政府の対応に抗議

 そんなわけで、今日、仕事が終わってから、首相官邸にひとりで抗議に出かけた。議員会館前で抗議している人たちから、日比谷野外音楽堂で集会とデモがあることを教わって、それに参加した。集会は4千人規模で、銀座、東京駅へとデモ行進をした。9時のデモ解散後、再び首相官邸に行った。首相官邸前で抗議活動をしたあと、今夜は路上で泊り込みの抗議をする予定の、僕より年上の女性二人と若者一人を残して、午後11時過ぎにその場を離れた。
 帰宅して食事をしながら見たテレビのニュースによると、街頭インタビューでは半分以上が自衛隊の即時撤退に賛成だった。「テロに屈するな」と言う人もいたが、自分が誘拐されていたらそういえるだろうか。しかも、そのひとは「これで屈したら弱み付け込まれる」と言っていたが、そもそも、テロの原因を作ったのは、小泉のアメリカへの隷属を「国際協調」と言い換えた嘘から始まった日本政府の行動なのだから、その原因がなくなればテロもなくなると言うべきだろう。
 数日前、自衛隊宿営地に迫撃砲弾が打ち込まれたとき、「絶対に将来、あの時撤退していれば……と後悔する日が来る」と僕は思った。それはもう来ているのかもしれない。
 サダム・フセイン体制を崩壊させたのは、あるいはいいことだったかもしれない。なにしろ凶悪なその体制を育てたのは、ほかならぬアメリカ自身だったからだ。しかし今、政権の受け皿になりうる団体を次々に攻撃しているアメリカに明日はないと断言できる。明日があるとしたら、自国の兵士や民間人がどんなに死んでも、罰を受けることなく、国からの受注のみが増え、当然利益も増える兵器産業と、それらから政治資金を受け取るブッシュ=小泉の、本当の「悪の枢軸」だけだろう。日本国民にも明日はないのだ。
 そんなわけで、明日も抗議活動に出かけるつもり。効果はともかく、とらわれている3人を思うと、さすがになにもしないわけにいかない気がしているからだ。