選挙後2

 今日の朝日新聞朝刊はタイムマシンにでも放り込んで、選挙前の有権者に見せたい内容だった。
 「定率減税 07年全廃方針を示す 財務相と政府税調会長」という見出しだ。「『サラリーマン増税』と定率減税の廃止とは全く別物」とは、自民党幹部の発言である。まさに、『日刊ゲンダイ』に書かれていたとおりになった。かたや、国民年金を除く年金の一元化は困難との見通しが10面に載っている。
 今回の投票で自民に入れた連中は、新聞なんて読まないし、ニュースもネットのヘッドラインくらいしか読まないのだから、当然の結果というべきだろう。その新聞にしても、年金の政府資金を自主運営して6.5兆円も損失を出しても、誰も罪を問われないという現状である。小泉はこれを隠し通して、大新聞もこうした政府のずさんな財政運営を全く無視して、社説で「郵政民営化は必要」みたいな記事を垂れ流した。これこそ、大マスコミ翼賛選挙と呼んだゆえんである。
 小泉は、郵政民営化法案の提出がすんだら、後は何もしないだろう。せいぜい、自民党が熱心なマスコミのスキャンダルから破廉恥与党議員を守る「プライバシー保護法案」や議論だけで逮捕を可能とする「テロ特別法案」を通すくらいだと思う。せめてもの救いは、参議院の3分の2の賛成も必要な、憲法改悪がそう簡単ではない点くらいだと思う。小泉も、今憲法を改悪しても、アメリカにいいように使われるだけと、国連常任理事国入りの失敗に懲りて、慎重になっているように見えるからだ。
 しかし、これすら変な期待は持たないほうがいいだろう。ともかく、小泉に何だって好きにできる権限を白紙委任したのは、僕らの愛すべき「賢明な」有権者だからだ。