「小泉内閣支持者は選挙民ではない。ピグミンである」

 今日の午前中、仕事をしながら上に書いたコピーを思いついて、(センキョミン、ピグミン、センキョミン、ピグミン……)なんて考えながら1人でニヤニヤしていたのですが、ピグミンって、例の「引っこ抜かれて、捨てられ、それでも私はあなたについていきます〜」ってやつです。マゾと問い言い換えてもいいですね。
 小泉内閣を支持してもピグミンにならない人たちも確かにいます。大企業経営者、高額所得者、そして創価学会員の3つです。大企業は、先の自民党税制調査会で、大企業、高額所得者向けの恒久減税の見直しの対象から除外されているわけだし、高額所得者は1962年当時、1800万円〜6000万円の所得に対し55〜75%天引きされていた所得課税を、1998年には37%しか払っていないからです。これに加えて、1980年代後半まで18%あった住民税が、現在は低くなっていることも忘れてはいけません。つまり、年収6000万円の人は、自民党を支持し続けることによって、毎年1280万円を自民党からも贈られていることになります(年収の手取りは、物価変動を無視して1500万円から3780万円にあがった。しかも、これは特別減税以前の数字です)。それ以上の金持ちは言わずもがなである。
 ここで注意したいのは、こうした金持ちが偉いのではなく、その下で低賃金で働く労働者がいてこそ、彼らの収入が維持されているとういことです。だから、所得の高い人から低い人への再配分=累進課税が重要になるわけです。ホリエモンなんかの、現代のIT長者もこうした税制の現状から生まれているといわれてます。ともかく、この前2者は、どうしたって自民党を支持する必然性があるわけです。
 最後の創価学会信者はというと、どんなに経済的に困窮しても、池田先生に献金することは将来の現世利益の拡大を保証することだから、地方都市の商店街に人気がなくなり小規模店舗が次々つぶれても、主人がリストラされて、バイトしか次の就職先がなくても、年金が目減りしても、税金など公費の支払いが増えても、イラクで民間人の人質が殺されても、別に問題はないわけです。小泉内閣を支持することは、池田先生を支持することだし、いくらお金を取られても、それによって彼ら(彼女たち)自身の現世利益が保障されれとしたら、学会への献金と一緒だからです。僕からすれれば、これも一種のマゾに見えるのですが、信仰は他人に害を与えない限り、個人の自由なので、文句を言う筋合いではないのです(本当は、目いっぱい他人に害を与えている、特に香田さんに対して、と思うのですが)。
 そんなわけで、本当に問題なのは、この3者以外の低所得な小泉支持の人々だと思うわけです。
 彼らは言う(かもしれない)。これまで改革が進まなかったのは抵抗勢力自民党内にいたからだ。
 でも、それじゃ、あんなに圧倒的多数派を結集した自公郵政民営化法案の支持者は何をしていたのでしょうか。郵政で公務員が減るというけど、黒字を出している公務員を減らして、赤字を垂れ流しているほかの公務員に関しては、この4年半で1%台しか減らせていない現状はなぜでしょうか? 道路公団を民営化しても、なぜ直接税金で道路を作ることになったのでしょうか? なぜ、道路公団の債務は隠され続けるのでしょうか? 日歯連献金疑惑で橋本派から逮捕者が続出するのに、権力の中枢にいる小泉派から1人も逮捕者が出ないのはなぜなのでしょうか? 創価学会信者なら、仏様のお導きというかもしれないけど、裏に何かあると思うのは、宗教にそんなに関心のない僕の印象です。
 法成立直後に、将来の予測数値の甘さがたたって、この法案でも維持できないといわれる自公の年金法。パート・アルバイト労働者の年金加入を、企業の負担増の反対を受けて撤回した自公両党。このため、年々上がる年金の企業負担を避けるため、ますます、企業は年金の半額を支払わないですむ派遣・パート・アルバイトなどの臨時雇者を雇うようになっています。これこそ、小泉の言う「郵政民営化」がもたらすすべてに肯定的な影響よりも、より確実な自公年金法の否定的波及効果でしょう。そして、自公両党は、驚くべきことに、この年金法案を立派なものとして自らのマニュフェストの中で、自賛しているのです!
 民主党やそのほかの野党のマニュフェストも、よく読むといろいろ疑問があります。でも、「そんなものはどうでもいい!」と公約破りをしたり、前回の選挙で議員年金の廃止を公約しながら、選挙が終わればまったく知らんふりの自民党マニュフェストより、まだましだと思えます。まさか、自公政権支持者は、お偉い議員先生には、将来の万全な年金保障があるべきだとか思っているわけでもないでしょう。議員年金の廃止は、国民すべてに対する適正な年金改革を実現するための保障だったはずです。民主党は、今回も生真面目に議員年金の廃止をマニュフェストに書いています。
 なにより、民主党やそのほかの野党による政権には、現在の自公政権の政官財癒着を断ち切り、本当の改革を進める可能性があると考えます。