京極夏彦『豆腐小僧 双六道中』豆腐小僧双六道中ふりだし作者: 京極夏彦出版社/メーカー: 講談社発売日: 2003/12/20メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 80回この商品を含むブログ (96件) を見る

 最近読んだ本は、京極夏彦豆腐小僧 双六道中』。
 京極さんの本は、江戸時代の妖怪概念がいかにして現代の水木マンガの妖怪概念に変化したのかについて、落語調の物語として語ったもので、そのくせ落語にはありえない難しい説明がついたりしていて、ちょっと評価が難しいのですが、僕的にはOKといった感じでした。京極堂シリーズのようなテーマに切り込むシャープさはないのだけれど、この作品もそれなりのテーマを持っていて、それは伝わるし、雰囲気は相変わらずの京極作品同様ある作品なのでいい出来だと思います。
 ただ、僕的には、この作品から京極さんが江戸の読み物調に行くのではなく、もっとドストエフスキーみたいな思想的深みの方へ行ってほしい気はしています。京極堂シリーズって、そんな裏テーマがある(あった)んですよね。