ガンダム・シード+ディスティニー

 このアニメを途中まで見て思うのは、オーブ連邦首長国って、モデルは日本だよなーってことだ。ナチュラルとコーディネーターが共存し、戦争に対して中立政策をとる自治体(世界政府が実現しているため)というのは、日本の未来の理想像だろう。そして、その国が一部の政治家の牛耳る状態にあり、世界政府と裏でつながり、ナチュラル側の秘密兵器を生産し、それゆえに戦争に巻き込まれていくというのは、現状の日本の政治状況を映したものといえる。
 そのなかで、さまざまな思惑を持った人々が交錯し、主人公たちは戦争のない世界を模索しながら、戦争に巻き込まれていく。こういったものが、この二つの物語の骨子になっている。
 現実の戦争では、主人公達のようにエースパイロットではなく、殺される側の雑魚パイロットか一般市民のほうが、より僕ら自身にとってリアルな存在なのだが、それでは話が盛り上がらないので、主人公はコーディネーターのエースパイロットになるわけだ。
 でも、日本の現実を色濃く反映したという取り組みは評価できるものだろう。その意味で、非常に意欲的な作品といえる。今後の展開が楽しみだ。